sakebroject ようこそ福ノ湯へ

もっと酒風呂を楽しむ

伝統医学に根ざした入浴を研究されている上馬場和夫先生に、正しいお風呂の入り方、
入浴や酒風呂の健康・美容効果についてお話をうかがいました。
入浴は家庭でできる手軽な健康法
Q. 入浴剤のいいことろは?
A. 入浴剤を使うと、さら湯よりも身体への影響が優しくなります。比較実験でも自律神経の反応が穏やかで、血圧や心拍の急上昇を防いだり、香りによるリラックス効果などが確認されています。
また、入浴剤に含まれる有効成分によって短時間の入浴でも温浴効果が高まったり、低い温度でも熱いお湯で入浴した場合と同様の効果を得ることができるので、目的に合わせたコントロールもできます。
Q. 入浴剤の成分は肌から吸収されますか?
A. 皮膚は最大の臓器といわれ、さまざまな分泌を行い、吸収し、伝える働きをしています。熱や触圧、酸などに敏感に反応する高感度のセンサーともいえます。
薬や食品を口から摂取した方が身体に効きそうに思われますが、実は肌からの吸収は効果も早く、安全性や副作用の面からもとても優れています。図のように経口で薬を摂取した場合は体内での濃度が一度に上がり危険域に達することもありますが、皮膚からはマイルドに吸収されるので副作用も少なく、有効期間も長くなるのが特長です。
Q. 食品を使った入浴剤がありますが、食べた場合と効果は同じなのでしょうか?
A.類似した効果が得られます。食べると汗が出て身体が熱くなる唐辛子を入浴剤としてお風呂に入れると、身体が温まり発汗が促進されます。温度の低いお湯でも、唐辛子のカプサイシンを肌が感知すると、熱いお湯に入っているように感じます。食べるとスーッと冷たく感じるミントをお風呂に入れると、お湯の温度も低く感じられます。
Q. 酒風呂のいいところは?
A. 日本酒を入れたお風呂の場合は、血管が拡張し血流がよくなり、身体が温まる効果が高まります。また、アルコールによる肌の洗浄や、豊富なアミノ酸による美肌効果など、化粧品としての効果も期待できるでしょう。
Q. 生姜や紫蘇が入った酒風呂のいいところは?
A. 生姜と紫蘇は古くから薬草や健康食として利用されてきた植物です。生姜はショウガオールという成分が含まれ、身体を温める効果があります。紫蘇にはロズマリン酸やα-リノレン酸が含まれ、抗酸化力やアレルギー予防効果があります。入浴剤として使用した場合も同様の効果が期待できます。入浴そのものによる温浴効果を、日本酒と薬草成分がさらに相乗効果として高めてくれるでしょう。
Q. 市販の入浴剤にはいろいろな種類がありますが、選び方のポイントは?
A. 市販の入浴剤は大別すると3つに分けられます。
(1) 薬草系
  植物には精油成分があり、ほとんどの植物に何らかの薬効がある。
成分や効果を選べば入浴剤として有用で、紫蘇や生姜はこの薬草系に分類される。
(2) ミネラル系
  肌に皮膜をつくって保温力を高め、湯冷めを防ぐ効果が高い。
市販の入浴剤の多くがこれに分類される。
(3) その他
  日本酒や炭酸など上記以外のもの。炭酸は血管拡張にとても有効で、入浴効果が注目されている。
紫蘇の酒風呂、生姜の酒風呂は(1)+(3)になる。
身体を温めたい、疲れを取りたい、肌にうるおいを与えたい、香りを楽しみたいなど、目的に合わせて入浴剤を選ぶといいでしょう。薬草などの天然成分は、まれに痒みや湿疹などの副作用が出ることがありますが、入浴剤として使う場合は身体に合わなければ洗い流せるという利点があります。入浴剤は成分がお湯で希釈されるので、体質や好みで分量を加減できるのもよいところです。
上馬場先生 上馬場 和夫 先生
富山大学 和漢医薬学総合研究所 未病解析応用研究部門
客員教授・医学博士・医師
1978年広島大学医学部卒業後、東西医学の融合を目指して国家公務員共済組合連合会 虎の門病院内科に入局。幅広い西洋医学的知識を身に付けた後、日本で初めての東洋医学研究所である北里研究所付属東洋医学総合研究所に入所。漢方医学や鍼灸の臨床、漢方薬理の研究に従事しながら、アーユルヴェーダの現代医学的研究に取り組む。1999年より、世界の伝統医学を研究する公的機関としては日本で初めての「富山県国際伝統医学センター」に赴任。伝統医学に根ざした入浴の研究に精力的に取り組んでいる。