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もっと酒風呂を楽しむ

伝統医学に根ざした入浴を研究されている上馬場和夫先生に、正しいお風呂の入り方、
入浴や酒風呂の健康・美容効果についてお話をうかがいました。
入浴は家庭でできる手軽な健康法
Q. より効果的な入浴方法はありますか?
A. 深部体温が1度上がるのがよいとされています。深部体温とは直腸で計る身体の中心部の温度のことで、人の深部体温は37℃前後といわれています。皮膚温度はこれより低く、手や足の温度はもっと低くなっています。
深部体温が高まれば末端まで血液が行き渡り、全身の体温が上がって代謝や免疫力、細胞の再生、内臓機能などが高まります。
Q. 入浴のタイミングはいつがおすすめですか?
A. 就寝の2~3時間前をおすすめしています。私たちの身体は深部体温が下がってくると眠くなるようになっています。この仕組みを利用して、寝る数時間前にじっくり入浴して深部体温を上げておくと、時間が経つにつれて深部体温が下がり、強い眠気を誘発します。深く質の良い睡眠は健康と美容に欠かせません。寝つきが悪い方も入浴による体温コントロールをぜひ試してみてください。
Q. 入浴時間や温度はどのくらいがいいでしょうか?
A.深部体温の1度上昇の目安は、額にじわっと汗が出るくらいです。長湯はストレスにもなるので、入浴は心地よいと感じる程度でやめるのがベストです。温度と入浴時間の目安は以下を参考にしてください。
温度と入浴時間の目安
お湯の温度には好みがありますが、身体に与える影響は大きく違います。皮膚や血管、内臓など身体の機能を支配する自律神経が、温度によって異なる刺激を受けるからです。熱いお湯は身体の活動を活発にする交感神経、ぬるいお湯は身体を休息させる副交感神経に作用します。朝は熱いシャワーや熱めのお風呂に短時間入って身体を目覚めさせ、夜はぬるめのお湯にじっくり入ってリラックスするなど体調や目的に合わせて使い分けてください。
そして特に身体に問題がない方は、できるだけ胸までお湯につかりましょう。温熱で免疫力が高まるので、乳がん予防にもおすすめです。心臓が弱い方、血圧が高い方は、水圧の負担が少ない半身浴や寝湯にするとよいでしょう。その場合は肩を冷やさないようにご注意ください。
Q. お風呂を楽しむポイントを教えてください。
A. 好きな入浴剤を使ったり、音楽を聴くなど、リラックスしてバスタイムを楽しんでください。ゆったりスローに動き、スローな心構えで入浴すると、より入浴効果が高まりますよ。
上馬場先生 上馬場 和夫 先生
富山大学 和漢医薬学総合研究所 未病解析応用研究部門
客員教授・医学博士・医師
1978年広島大学医学部卒業後、東西医学の融合を目指して国家公務員共済組合連合会 虎の門病院内科に入局。幅広い西洋医学的知識を身に付けた後、日本で初めての東洋医学研究所である北里研究所付属東洋医学総合研究所に入所。漢方医学や鍼灸の臨床、漢方薬理の研究に従事しながら、アーユルヴェーダの現代医学的研究に取り組む。1999年より、世界の伝統医学を研究する公的機関としては日本で初めての「富山県国際伝統医学センター」に赴任。伝統医学に根ざした入浴の研究に精力的に取り組んでいる。